Home > 雷はなぜできる?
| 対流説(ボンネガット提唱) | |
| 雷雲内部の上昇気流と雷雲周辺の下降気流が、同一の電荷を集積し、雷雲の電荷の分離をうむという考え。地表の(+)の電荷は、上昇気流で運ばれ、雲の中心部は(+)過剰になる。一方、(+)に帯電した雲は周辺から(−)の電荷を引き寄せる。雲の周辺に引き寄せられた(−)の電荷は、下降気流によって雲の下面に集まる。 | |
| この説は、その後の研究結果、測定結果と一致しないため、雷の発生についての説明としては、完全に退けられた。 しかし、ボンネガットと共同研究者たちが実施した、さまざまな測定や分析は、結果的に雷雲電荷の研究に大きく寄与した。そのため、雷の発生についての、電荷分離機構の説明の中では、いろいろな形で繰り返し言及されることになった。 |
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| (1)気温が−10度以上のとき、また−10度以下でも雲水量が多きとき 雲の中にある、あられの表面は水の薄い膜で覆われている。 このとき氷晶があられに衝突すると、水の一部は氷晶にくっつき、氷晶は(−)に帯電する。水を失ったあられの方は逆に(+)に帯電することになる。 |
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| (2)−10度以下で雲水量が少ないとき 雲の中のあられの表面に樹枝状の氷ができる。氷晶があられに衝突すると、この枝がこわれ、氷の小片は(−)に帯電する。あられは(+)に帯電することになる。 |
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| (3)−10度以下で雲水量が適当な量のとき(表現は難しいですが) あられの表面は硬く、なめらかになります。衝突によって氷晶が破壊され、氷の小片が(−)に帯電する。小片があられに付着して、あられが(−)に、氷晶が(+)に帯電することになる。 |
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| 1984年高橋劭による(湿潤気塊の上昇による雷雲の発生、氷晶の衝突による電荷分離)の研究による。 | |
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雷とは何か、何で発生するのかということについて、デカルトのような学者でさえ、雲と雲の衝突の音と考えていたようだ。彼も時代の子である。 上にある雲が、下のほうにある雲の上に落ちたときの音が雷鳴であると。 デカルトはともかく、最近まで、多くの人が孫悟空の「きんとん雲」のように雲に乗ることができると考えていたのも、事実である。そのような人にとって雲は硬いものであり、衝突すれば、大きな音も出るし、火花もでる。 落雷も、雲の衝突による大きな火花と考えていたのだろう。このような考えは、ほんの少し前の時代まで、科学的な知識を持たない人々の一般的な考え方であった。 |
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なぜ、大空に電気が溜まるのか、どうしてあれほどのエネルギーをもった雷になるのか。フランクリンが雷は電気であることを証明した後も、このなぞは長いことだれも説明することはできなかった。 1920年代に雷の研究が熱心に進められ、活発な意見が交わされた。その中で、特に有名なのが、1928年グラスゴー大学で行われた雷研究の発表におけるシンプソンとウイルソンの論争である。 シンプソンはイギリスの気象台長 ウイルソンはノーベル物理学受賞者 当時の最高レベルの学者の論争は多くの研究者を巻き込んだ雷の歴史的大論争となった。しかも、この二人の学説は雷の発生について、まったく正反対だったので、なおさらである。 |
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| シンプソン説: 雷雲の上層は負に帯電し、その結果雷雲下部は正に帯電すると考えた。水滴は分裂する際に、正に帯電し、対応する負の電荷が空中、地上に発生する。シンプソンは多くの図や写真を元に説明し、彼の理論ですべての現象を見事に説明した。 ウイルソン説: 雷雲の上層は正に帯電し、その結果雷雲下部は負に帯電すると考えた。かれは実際にさまざまな地点での電荷測定を実施し、解析してこの結論を引き出した。彼はこの結果水滴は上部が負に下部が正に帯電して、分極すると考えた。下部が正に帯電した水滴が落下するとき、正の電荷に反発し、負の電荷を吸収することにより負の電荷が蓄積されるというイオン選択捕捉説を提唱した。 |
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二大学者の対立した学説が、同じ学会で発表されたのだから、大変である。多くの観測結果はウイルソン説を支持するものが多かったが、シンプソンも新たな研究によって、自説をより強固なものとした。 その後の研究によって、一方の説が正解で、もう一方の説が誤りというほど、雷の生成は単純ではないことが解明されていくことになる。しかし、当時、そこまで予測できたものはいなかったので、名のある2人の学者の名誉をかけた論争は大きな話題になった。 この著名な学者の考えが正反対であったことが、多くの関心を呼び、新たな雷の研究に拍車をかけたことには間違いない。 |
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| 雷はなぜできる?: | |
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中谷宇吉郎というと、大変有名な物理学者である。この先生が温度の異なる氷の粒がぶつかり合うと、一方が+に、もう一方がマイナスになることを発見しておられる。 「災害は忘れたころにやってくる」という有名な言葉を最初に使われた方である。 迷信のように「節分には卵を立てることができる」と言われてきたのを実験によって、卵が立つのは特別なことではなく、いつでもできることを証明したりした。卵を立てた状態でそうっと抑えていると、比重の重い黄身の部分が、徐々に下がってきて重心が低くなる。さらに卵の表面は多少のでこぼこがあるので、うまく位置があうと、立てることができるのである。 |
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さて彼は雪の研究では、長く第一人者であった。(低温物理) この先生が雪の研究の中で、零下15度の氷の粒と零下30度の氷の粒が触れ合うと、冷たいほうが+に、比較的温度が高いほうが~になることを発見している。(中谷宇吉郎全集第3巻:岩波) おそらく、最初に発見したのではなく、実験で確認したのだろう。上空で、冷やされた空気中の水蒸気が氷の粒になり、ぶつかり合うと、電気的に+の粒と~の粒になる。これで、雷の研究ができると喜んでおられる。昭和10年代のことである。 |
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| その後、1950年には、ワークマンとレイノルズが、自然の雨と同じ物質が溶けた水を使って、水が凍るときの電気的な変化を調べた結果、水が(+)に帯電し、氷が(−)に帯電することを突き止めた。水に溶けている物質が多いと電荷も大きくなり、氷結速度が大きいとやはり電荷が大きくなることもわかった。 | |
| 氷と水が天空で衝突するとき、水の一部がが氷に付着し、他が飛び散り、電荷の偏りが生じると考えた。 | |
| 氷と水が衝突することによる電荷の偏り説は、後の研究で、飛び散るのが水でなく、氷晶であることが判明し、退けられた。 | |
| 海や地面の水分を含んだ空気が温められると、軽くなり、どんどん空高く上がっていきます。ところが上空は、地面よりも温度が低いため、空気は冷やされ、水分は徐々に水滴になり、雲になります。たくさん水蒸気を含んだ空気がどんどん上空に上がっていくと、空気の流れは激しくなり、雲はどんどん発達します。結果として、乱気流が発生することになります。 | |
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地球全体は大きな磁石になっているため、水滴もその影響を受けてわずかに磁石の性質を持つようになります。さらに上昇気流は水滴をこするような働きをします。昔、子供たちが下敷きをこすって、静電気を発生させ、磁石のように髪の毛などがくっつくのを遊んだことは記憶にあるでしょうか。水滴に静電気がたまわけです。その結果、水滴は雲の下側の地面に近いほうと、上側で電気的な偏りができます。 |
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水滴はだんだん大きく成長しますが、空気の流れが激しくなると、今度は小さく分割されることになります。そのとき、分かれた水滴は上空が+になり、下のほうが~になり、地面の+との間に電圧の大きな差が生じるようになります。多くの場合、雲の中の+と~の間で放電がおこり、激しい稲妻が発生しますが、時には地面との間に放電が起こることがあります。上空から地面に放電が起こるためには大きなエネルギーが必要です。落雷が激しいのは当然のことです。 雷全体の90%が雲の中どうしで起こる空中での放電ですが、全体の10%程度は雲と大地の間の放電になります。これが落雷と呼ばれるもので、大きな電気エネルギーが発生するため、電子機器や大型の設備が被害にあいます。毎年、死亡事故も報告されています。日本の年間の被害総額は2000億円にものぼると言われています。 一般的にもっとも雷が活発になるのは、上昇気流によって、どんどん雷雲が発達し、今度はその空気が上空で冷やされて、今度は下降する気流が生じる時期だそうです。前半が雷雲の隆盛期、後半が雲の衰退期。実際の雷はこの衰退期に活発になるということです。ただし、これは雷の発生の研究の古典的な説明です。雷の研究が進むにつれ、さまざまな学説、実験がおこなわれ、さらに観測技術も発展し、いろいろな事実が解明されて行くようになりました。その研究の歴史の一部を徐々に紹介してまいりたいと考えております。 落雷から家電、PCを守るには落雷からビル、工場、大型施設の守るには |
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